やわらかな灯に心溶かされて
こんにちは。英文科3年のタカタです。よくタカダと間違われます。
最近はすっかり冷え込みましたね。彩られた葉はあっという間に風に吹かれてしまいました。儚さが美しさを際立たせるのはどうしてでしょう。みなさんは儚さと聞いて何を思い浮かべますか? 私は、春はシャボン玉、夏は恋、秋は紅葉、そして冬はマッチです。
今回は冬の儚さの代名詞の1つであるマッチのお話から始めましょう。『マッチ売りの少女』です。大みそかの夜、貧しい少女は売れ残ったマッチを抱えて途方に暮れていました。凍える身体を少しでも温めようとマッチを1本擦ると、まるでストーブの前に座っているかのような心地です。しかし、マッチの火が消えるとストーブも消えてしまいます。さらに1本、もう1本と擦ると、クリスマスツリーやガチョウの丸焼き、大好きだったおばあさんの幻影が少女の前に現れました。少女はおばあさんが消えてしまわないようにマッチを全て擦り、幸せな思い出とともにその短い人生を終えました。儚く、哀しく、美しい物語です。
この物語の中で、マッチは少女の身体だけでなく心をも温めました。今やマッチを使う必要はなくなりましたが、蛍光灯やLEDではマッチのような優しさと温かみは再現できません。でもね、ランプシェードを介せば、無機質な明かりに温度が生まれるんです。
点灯前

点灯すると……
ね、ほっとする灯りでしょう?
市販のLED(オレンジ色)に、手作りしたランプシェードを被せました。家庭科も図工も得意じゃなかった私がどうやってこれを作ったのかというと、実は大学の学生相談室のおかげなんです。
甲南大学では、授業期間中の毎週金曜14:30~16:10に「金曜Reアワー」が開催されていて、四季折々に合わせた創作活動やイベントを楽しめます。ちなみに、過去には宝石の石鹸作りやトーンチャイム、フラワーアレンジメントなどがありました。このランプシェードは10月15日に作ったものです。材料はすべて用意されていて、作り方も一から教えていただきました。手作りしたものには、単なる実用品を超えた力があると思います。このランプシェードも、私の部屋を照らすだけでなく、私の心を優しく溶かしてくれるのです。みなさんも授業にバイトにと忙しい日々をお過ごしかと思いますが、自分とじっくり向き合う時間を作ってみるのもいいかもしれません。
来年1月7日の「金曜Reアワー」は書き初めです。
5号館の裏の芝生の近くにある東門から少し上ったところ、18号館へ行ってみてください。樹々に囲まれていて見逃しそうになるので要注意。隠れ家みたいです。でも、誰にも見つけられないようなこのブログを読んでいるあなたなら、きっと辿り着けますね。
それでは、このへんで。
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